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そこにいてもいいじゃないか

姿のない人たちから、愛のかたまりを人生でゆっくりと味わってみる。見慣れた字の手紙。何気ない言葉で、拡大する僕たちの愛。何も持っていないところから、僕たちは生まれたわけじゃない、全部持っているところから、置いてきて、生まれてきたことを忘れないで。夜にしがみついて、朝で溶かして、まだ苦いコーヒーを片手に何かを生み出す。吹き替えよりも字幕で見たあの映画。色々なものを全部置いて、空は飛べないところから、始まった世界。豊かさと愛を。何を人生と呼ぶのだろうか。命よりも大切な子供のことを考えて、見ている世界と資源。

この先に何が待っていようとも、それは愛を持ってして生まれてくるんだ。結局はこうやって何かが生まれて、何かが散っていく。それは、あの時見た映画に映っていた言葉の数々と、真実。僕たちだけがこの世界で見た真実。誰にも言わない、誰にも言えないあの世界の秘密。僕だけが知っている世界の秘密を、あなたはまだ知らないとでもいうのだろうか。コンビニのコーヒーを片手に人生をもう一度始めてみる。

ちょっと死んでくるわと、あなたが言った。僕はいってらっしゃいと返す。広すぎる海に浮かぶ船が沈没したところで、僕たちの世界は何も変わらない。夜が明けても朝が来ても、何をしても人生は彩りに満ちている。それは愛情であり、希望であり、真実なんだという。きっと世界は終わらない。何を以て死とするかなんて、そんなの人それぞれじゃないか。あなたが言った世界で、あなたが行った世界で、僕は遊んでいるだけで。明日が世界最後の日だったら、君はどこに出かけるんだい。

涙や雨、寂しさなど、澄んだ青を主なテーマに、
文章を紡ぐ作家「海野深一」の公式ポートフォリオサイトです。

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