MENU

眠れない夜の中で眠る春

出逢いと別れのこの季節。僕はいつも通り寝不足でカフェにおります。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

自分にとっては特別だと思える日も、誰かにとっては普遍であり、何の変哲もない一日なんですよね。それはきっと、星が輝くのと同じように、心の中で人生を歩むのと同じように、そっと進んで行く人生の法則たち。僕は僕でいることが精一杯だから、きっとあなたが飛び立つことを実感することすらできないんだろうな。

僕たちは生きている。僕たちは生きている。この限りない宇宙の中で、他人と共鳴しながら生きている。きっと世界が言うことなんて全部嘘で、あなたの心だけを信じていればいい。あなたのやりたいように人生を歩んでいればいいし、あなたの好きに泣いていい。心の中で言う言葉は、あなたの心に刻んでいていいし、心なんて動かさないでもいい。感動してもいいし、しなくてもいい。あなたのままで生きていい。

言葉で人生に例えるなら、それは共生とでも言うべきか。僕たちは他人とのかかわりをおろそかにすればするほどなんだか生きている心地がしなくなって、だんだんと寂しさが顔を出してくる。でも、それでも人生は進んで行くから、僕たちは何を指針に生きていいのかすら分からない。甘い考えをしている僕たちと、それでも愛を人生に据えている希望たち。

卒業したら何が待っているかなんて、だれにも分からない。未来のことなんて、誰にも分からない。そうやって僕らは生きているし、そうやって言葉は進んでいる。だからこそ僕たちは人生を謳歌しているし、宇宙は広がり続けている。それでも愛を信じ続けること、それでも愛を持ち続けること。それがきっと世界の行き先を決める、あなたの広がりを決めることになるんだ。

人生は短い、なんて言うのは嘘で、永遠と同じぐらい長い。僕たちが命を終えるときは、きっと世界はもっともっと自由になっているだろう。そんな永遠の中で、卒業という日のことを、僕は鮮明に覚えている。僕は泣いた、僕は愛した、僕はたしかにそこに居た。僕は頑張った、僕は苦しんだ、僕は踏ん張った。そうやって生きてきた日々を、僕は決して忘れない。きっと言葉の奥に、あなたの大切な人のそばに、輝いているものがあるはずだから、それをそっと掬って、あなたの心にしまっておいて。

大丈夫、大丈夫。これまでの過去も、これからの未来も、あなたの人生全て、明るいままだから。輝きは失わないし、光に照らされ続けている。だから安心して、旅立っておいで。

涙や雨、寂しさなど、澄んだ青を主なテーマに、
文章を紡ぐ作家「海野深一」の公式ポートフォリオサイトです。

目次