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春風のスヌーズ。

もうすぐ春ということで、ミュージックアプリのプレイリストで春のプレイリストを再生したら、大塚愛さんの『さくらんぼ』が流れ出した。今月はそんな月らしい。あまりそんな気分でもなかったが、運命がそういったのだからしょうがない。鼻が少しかゆいのは、きっと花粉のせいではなくて、この音楽のせいだろう。学習機能があるはずであるが、こうした陽気な音楽が流れるということは、まだ自分はこのような陽の気分から離れることはできないのかと、少し寂しさも感じながら、心の中に最近引っ越してきた春風に耳を澄ませる。愛し合う二人、きっとそれは、僕と僕。

次の曲は、スピッツさんの『チェリー』。僕は昨日までなんだか気分が晴れない気持ちで居たのに、今日になったらなんだか気分が良くなっている。なぜだろうか。愛しているの響きだけで、強くなれる気がすると、チェリーは言っている。

季節が変わると、何かが変わるのだろうか。そうだとしたら、僕は春が好きだ。春は、出会いと別れがある。急かされるように卒業式と入学式が度重なって降りかかってきて、あまりいい思い出はないが、社会人を辞めてから春が好きになった。僕なりに生きていると思っているときがあっても、人生を賭けて言葉を紡いでいると感じているときに、季節の変わり目というものは訪れる。想像していることが現実になることは一切ないが、些細な幸せに気付くことができるようになったのも最近であると感じている。

言葉はなぜ「紡ぐ」なのか、その意味が、春になって、春風を感じて、なんだか分かった気になっている。でもまだ待って、この文章を、この本を、春に乗せていって、あなたを起こすから。

涙や雨、寂しさなど、澄んだ青を主なテーマに、
文章を紡ぐ作家「海野深一」の公式ポートフォリオサイトです。

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