2025年9月– date –
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頬を撫でる
世界を愛してください。あなたはそう最期に残して、言葉を呟いた。人生を住人の色に俯いていれば、世界を愛することができたら、僕たちはきっと楽に生きることができるのだろうか。何処までも自由な空のことを、僕は羨ましいと思った。寝る前に、星空を想... -
誤魔化し
何度も言葉を並べて、一生懸命に同じところに行こうとしたんだ。あの頃に見た世界と、同じような風景を見ようとしたけれど、きっと世界はそのままでいいと、その光景を隠してしまうんだ。深夜一時のベッドの上。浅い言葉を何回も並べて、自分が嫌いだと信... -
フリーズ
心にもないことを言ってはいけないと、彼女は言っていた。僕だけの言葉では抱えきれないこの世界は、受け皿がないからと言って、僕のことを弾き出した。きっと世間は、この輝きに気づくことはできないのだろう。きっと世界は、この神秘に気付くことはでき... -
僕と世界、それでいい。
流れるままに人生を謳歌する。きっと僕の世界はずっとずっと狭いままで、ずっとずっと何もないままなんだと、この人生に言い聞かせる。承認なんてものはいらない、僕はただ、この世界と溶け合っていたいだけなんだと、心が言っている。何が起こっても、僕... -
舞い散る
傷がついている僕のことを知らないまま、きっと世界は回っていくのだろう。気が付いたらすごく疲弊していた心を、そっと吸い込むように君がキスをしてくれた。誰かが零したレオナルド。笑い合う夜に溶けて、きっと世界は呼吸していると僕は信じている。ち... -
昼に眠る月
世界中で起こっている戦争の数々を、だんだんと幸せの色に塗り替えていく仕事がしたい。そっと背中の羽を付けて、ペンキを塗るように、幸せを世界に塗りたい。もしかしたらそういう人が未来にいるかもしれないと、そしたら大人気職業だ、なんて思いながら... -
純度と信条
夜の色が僕たちの頭に拡がるときがある。きっと世界は純粋で儚くて、消えることのない世界の美しさを奏でることがとめどなく人生を彩っているんだろうな。僕たちは夜になると世界に還って、おおきな塔を登って、小さな呼吸をしながらそこに行くのだろう。... -
インク
自分が隠されている存在だと知るころには、何もかも囚われているということを、僕たちはまだ知る由もない。いらない宣言と、心の中に沈んでいる何かの心。きっと世界はもっともっと儚いままに進んで行くんだろうな。簡単に作られた世界かもしれないけれど... -
深海より愛を込めて
取り交わす人生と、絵筆を使って描いていく。あまりに淡い人生だから、僕にはその情景が分からない。頬を撫でる昼下がり。滴る水をそっと手に取って、僕はこうして言葉を紡ぐ。あなたは誰か分からないけれど、この言葉たちがあなたに逢いたがっているから... -
雲は散って、星になる。
色とりどりの雨が繰り返し人生を彩っている。僕は俯いて歩幅を確かめて、この世界に存在していることを感じる。隠しきれない命の輝きを、彗星が通った後の風に乗せて、同じ場所の同じ心を感じる。一人で言えない尊さを、どうすればこの世界に響かせること...