願いよりも先に、言葉が出て来てしまう僕。あの時に感じていた気持ちは、限りなくなくなっていても、僕の心の奥に確かに沈み込み、そして溶けている。焦る時も、苦しい時もあるけれど、結局僕は一生懸命生きることしかできないし、いつかの夢を追い続けることしかできない。生きる印、すぐには見えない虹。何者でもない螺旋のような物語を歩んでいる。届きそうで届かない、蜃気楼のような人生、幸せじゃない時が、もしかしたら本番なのかもしれない。
ターミナル。終電の電車はもう過ぎた。帰る場所はこの星だけ。耳で流れる音楽は、永遠を教えてくれる。そんな惨めな自分にも、星の光は届いている。看板に反射している、ぼんやりとした灯り。過去に過ごした学生時代のことが、フラッシュバックする。さようならなんてできないまま、僕はここにいる。毛玉のついたセーター。今の季節は冬。拾い上げる見えない優しさ。振り返れば花が咲いている。重すぎるこの存在。消えゆく前に書き留めておかないと、僕は壊れてしまいそうなんだ。
肌の白さに期待してまた、あなたの存在が浮き彫りになってゆく。不調和な言葉が浮かんできてはまた、一分後には晴れ渡る。あなたのことをずっと思っているなんて、最初から無理なことだったんだ。隣で泣いている、子供。隠し切ることができない僕の鼓動。触れている何かの気配に、まどろむ命。溶けられない何かがこの世界にあること。僕が僕でいることを妨げる、世間の何か。そんなことに怯えて、また言葉が出てこない。待ち続けている、生きている。振り向けば終わる世界で、ただの記号で生きながらえている。花咲く回路。
飛ぶ鳥。羨ましいなんて、思わなくなった。
「不思議と、夜が長いわね。」
「見慣れない鳥が飛んでるな。」
「あれは、この星の鳥じゃないわ。」
「見つけても、意味がないか。」
「そうね、理解されないと、この星では存在しないものとされるのが、本当に不思議ね。」
「一つの存在の感覚しかわからない人間が、共存していることが、何かを生み出しているのだろうか。」
「夏の日を楽しめばいいなんて、夢か現か、分からないわ。」
「いつもと同じ日が続いていることなんてないが、まあやっぱり、人として生きることは厄介だけど楽しいな。」
「あら、久しぶりにあなたらしいわね。」
「危うい人生だけど、まあ生きているからいいさ。」
「それもそうね。」
月面には、何があるのだろうか。想像してみても、特に何も変わらないのだろうなとも思う。僕はずっと、言葉と戯れているだけなのだろうなと、思う。
きっと未来は明るいだろう。きっと人生は楽しいだろう。その楽しさ、忘れないで欲しいと、未来の自分に言いたい。起こるべくして、その出来事は起こる。ペットボトルを捨てずに、またそうやって過ごしているのも、何か意味があってのことなのだろう。
歩けば歩くほど 分からなくなる世界
でもそれはきっと 歩幅が変わったから
そもそも道は同じではないことに 気づいたから
また 息が止まるほどの幸せを用意しておくから
まだ安心して 歩いて欲しい
互い違いの靴下 甘すぎるチョコレート
少しずつあなたは 生きていることを実感する