MENU

忘れない幽玄

暖色の透明と、夢を追うところまでの神経。好きなところから、確かに繋がっている未来への架け橋。他愛もない話も、段々としなくなってきたな。外れの個人経営のみせ、安定のチェーンの居酒屋で、僕たちの運命は十分なんだ。守り合ったり、比べ合ったり、左手に何を持っているかなんて、考えないでいいんだ。普段だったら最後までいるカフェも、今日は少し早めに切り上げて、肩を抜いて帰り道の風を切る。

ただ応用して、言葉を携えていればいいわけじゃない。何事も感謝が大事なんて、言わなくても神経に刷り込まれているのが僕らなんだ。未完成のイチが、漂っている東京の真ん中で、僕はこうして人生を全うしている。ただ声に出して、言葉を掛け合えたなら、包容して涙を拭き合えるだろう。可能性原理。最後の夜には、何を話すか決まっているのかな。何も気にしないで、音を立てることができたらいい。歩き始めることのために、何かを犠牲にする必要なんてないんだ。溢れ出す涙を飲み込んで、尖らせていく僕の夢。まだ希望があるのであれば、声が聞こえるところまで、離れて歩いていけるのかな。解いて欲しい、ほどいて欲しい。溢れていく世界への愛を、僕は最後の歌にする。これが最後じゃないことを知っているけれど、最後の人生にしたほうが、弱いところから立ち上がれる気がするんだ。

どこにも行けない心たち、壊れそうな僕でも、愛し続けることが生きる意味なんだ。終わらないイメージを、段々と溶かしていく。砕けた夢の代償が、大人たちの語る幸せなんだろうか。僕には、この世界を生きていない人の顔が、まだ曖昧で、見ることができない。抱きしめることができない。今日もただ、僕らは進む。僕らはそれでも、生きているから。約束を、とりあえずまたねって言い聞かせて、これで終わりじゃないと。

全部ブルーにして、空に包まれていたい。大人びた子供たちは、何もかもが終わってしまっている。終日、その瞬間で生きることが、この世界に存在するということで。足りない、足りない。永遠を噛み締めて、あなたが地獄になるところ、剥き出しになった崩壊の日々。晴れ渡っている未完成。

涙や雨、寂しさなど、澄んだ青を主なテーマに、
文章を紡ぐ作家「海野深一」の公式ポートフォリオサイトです。

目次