電車はどこへ行くのだろう。銀河の天の川の孤独は、二つの鼓動が揺れて何も聞こえない。星の学校には三十分で着くと言われていたのに、まだ着かないな。そんなことを考えながら、窓の外を見ていると、一番星が見えた。許される日が来るのなら、一瞬の夢に出逢える。僕には何もかもがこの世界で美しく見える日もあれば、なんだか醜い日もある。白い靴が汚れて所々に星の欠片が落ちている。少しだけ泣いて、だんだんと地球が遠ざかっていく。
いとも簡単に失くしてしまったこの世界の心。気づきたくなんて、なかったんだ。髪の毛を解いて、そっと次の停留所を眺める。違う星の住人たちは、僕たちのことをどう思っているのだろう。流れる部屋で、晴れた午後。なんで星は、昼間に見えることはないのだろう。きっと一番星は、目立ちたがり屋だから、一番に地球に姿を見せるのだろう。消えそうな星を眺めて、僕は夜に少しだけ泣いた。四月は君の嘘。淡く溶けて消えた。いつもの口癖も、負けずに嫌いなところから、意地っ張りだってことは知っていた。君の色を乗せて、諦めていたところ。
もう僕なんか、忘れてほしいと願う。何を言い聞かせても人生は一度きりしかないのだから、僕の想い出に君を刻み込まないでほしい。この先の見えない世界で、一番星だけがそっと顔を見せる。あなたに出逢えて良かったなんて、今の僕には言えることではない。愛した日々も、その温もりも、嘘じゃないと自分に言い聞かせて、このバスに飛び乗った。全て壊して、僕なんか何もかも忘れてしまえばいいと思っていた。あなたとした最後の口づけは、涙の味だった。
僕たちが最後に会ったのはいつだっけ、浮かれたワンピースが、眩しいなと思った記憶しかないんだ。一夜にして、街は君の色に染まったことを覚えている。高速道路の音が昨日を生きているみたいで、なんだかむず痒かった記憶がある。街灯の灯りはところどころ、駐輪場を照らしていて、かき氷の音色。造花の向日葵はあなたみたいねと、君は言った。誰かが煙草消して、この世界の灯りは消えた。狼煙を上げて、燃え続ける。行かない心を春の風に乗せて、昨日を生きていた。空の色は、僕には相変わらず分からない。でも、君が最後に着ていたドレスが、月明かりの元で、僕の心を照らした。