鳥籠の中で夢を見る。時に人生を歩んでいる時にも、夢を見る。愛くるしい世界がそっと心に寄ってきて、僕のことを見つめては去っていく。何がしたいのか、白馬の王子様なんていないと、世界は一度僕に言った。ただ信じたいだけなのに、何を泣いているのか、弱虫と言われた僕の言葉。でも、そっと歩んでいる心だから、夢を見ているだけでもいい気がするんだ。
もしも世界が変わるなら、僕は心だけは置いていきたいな。まっさらな自分に生まれ変わって、いっそのこと人生を投げ捨てて。窓越しの匂いをだんだんと感じる。もうすぐ梅雨が来る。溜まっているところ、人生、可憐。捨てるべき信念と、捨ててはいけない心の夢。僕はどれにも当てはまらないから、きっと世界を覆い尽くすぐらいの言葉を綴ることで生きるんだ。
もう直ぐ世界が終わるって、どこかで聞いたことがある。何が世界で、何が人生かもわからないところなのに。救いの手は、あの日に逢ったままだった。放っていく光と、言葉にならない人生の数々。詩集を持って、天国へ行く。一冊の本があれば、僕は万年生きることができる気がしていて。でも、紙とペンがあったら、光年生きていられるんだ。
尼崎。その日は人生について考えている日だった。中心から段々と覆い被さっていく心の奥で、きっと世界は愛を携えているのだろう。高く、深く、愛を以てして人生を見つめる。今日は真っ白な角砂糖が自分の口へと入る。コーヒーカップごと、ひっくり返して真っ黒な夜。急行電車は見送って、僕は各駅停車へそっと身を寄せる。選んだ格子は、正解だったのかな。窓から見た景色は、世界だったのかな。