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オルゴール

夢を見ていた、あなたの後に咲いた花。自分じゃない誰かのことを、オルガンの音に乗せて、また生きていく。そこに咲いているのは僕じゃない。陽炎が揺れる夏の灯火、謳うところには咲かない花があって、僕には分からない何かが確かにあったんだ。いつになっても言えない何かが、縞の中に一人。光を受け止めて、跳ね返る言葉、あなたにしか分からない言葉たち。幾重にも重なる運命が、逃げることを知らない僕のことを見下ろしている。何か足りないことお恐れて、いつまでも人生を歩いている。いつの日か僕も、あなたのことを信じられる時が来るのかな。終いには人生を投げ出してしまいそうで、自分が怖い。意味の分からない心の世界で、加える雷の音。

何もないところで、僕の言葉が生まれる時、段々と世界は渦になる。鳥は流れていき、いつまでもそこにいない世界。ジンベイザメが、横切るあなたを無視する。予感が当たるところ、人生になる。一見すると何もないところに見えて、何か憤りを感じる。不変の幸せ、いつまでもあるわけじゃない。重なる運命、永遠に欠片。命、命、命。

時に人生を見る。この世界で何が起ころうとも、いつまでも幸せになんかなれない。僕の中で何を意味しているのかなんて、あなたには分からないだろう。神保町で見た夢は、いったい何だったんだろうか。いつまでも信じることができない世間、何一つ満足できない表現。意味を求めて、僕はいつまでも揺らいでいる。波間に信じること、生きるまでに人生を満足して終わらせたい。人生を生きることは、簡単なことじゃないけど、それでも愛を知りたいと思っている。

「不安か。」

「そりゃ、不安でしょ。」

「意味なんて、求めなくていいんじゃないか。」

「縮こまるなんて、勿体無いわよね。」

「それはどうかと思うが、まず生きているからな。」

「生きるって、何なんだろう。」

「何か、言葉が勝手に出てくることなんじゃないか。」

「勝手に?」

「そう、勝手に。」

「風炎の岐路に、言うまでもない幸せなんだろうな。」

「緑も、愛したい。」

鳥箱の中に、不安が鳴り響いている。僕はあなたの勇気に乾杯して、生きることを学んだんだ。純粋な力、生きること、信じられるところ、貢献して、世界を見る。ギターを弾いて、僕の風になって、真髄を見ている。所々、不安になる。革の匂いがする鞄、この柔らかくなる経年変化が、きっと僕の心の中になるんだ。それは愛なんかじゃないから、心を込めて、僕は繋ぐ。重圧に耐えることが人生じゃない。生きることも、人生じゃない。夢を追うこと、蝶々、まっしぐら。コーンスープ、生きる。何となくでいい、何気なくていい。

「後悔していないのか。」

「そんなこと、しないわ。」

「いつも、お前のことを考えていた。」

「なに、急に。」

「空に欠片を預ける。」

「名無しの空に、」

「言うことなんて、何もなかったんだ。」

「起点なんか、どうでも良かったんだ。」

「人生なんて、限りない運命と共にあるのにね。」

「生きることなんて、そんなもんだろ。」

「私は声になりたい。」

「声?」

「そう、どこまでも、波が途切れない声に。」

涙や雨、寂しさなど、澄んだ青を主なテーマに、
文章を紡ぐ作家「海野深一」の公式ポートフォリオサイトです。

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