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あの海で、待ってるから。

心の声。だんだんと遠くなりつつある中で、今日、引き戻すことができた。生きていることは、さまざまな刺激に感化されるものではなくて、それは生の状態として、静かに紛れることであると思う。普遍であることが正解でもあり、自分だけを見つめることもまた正解であるということ。不安と期待の中で、動き続け、葛藤をし続け、自分という存在がどういう存在なのかを考えていくことなのではないかと思う。衝動で生きているだけなんて、そんな寂しいことを言わなくても、僕は僕で生きるさ。

あなたはそうやって、僕のことを優しく撫でる。大人になったような気でいる僕。そんな想いなんて、飽きているままに信じていても良かったんだ。ふとした瞬間に、何も知らないあの頃に戻りたい。戻りたい。あと何分かで、世界が終わるなら、あなたは今、何をしますか。僕は、また、あの人に会いにいくのではなくて、僕のことを愛したい。過去に浸って、今までの人生を称賛したい、自分で。たった一人しかいない、自分で。

忘れてもいいから、あなたのことを今感じて欲しい。手の温もり、滲んで消えていく、晴れの日。向こう岸で、優しくまたあなたが合図する。光る飛行機雲。夜には見えないなんて、そんなの寂しいじゃないか。期待を込めて感じる世界と、僕だけの心。迎合しないままで、生きていられるのかな。揺らぐのは、命ばかりではない。深海。いつも通り生きていても、光はない。掴むものもない。命なんて、言葉では正せない。

シェルター。廃墟の中にずっといるのなら、僕はあなたのことを救いたい。二十年後の未来で、待っているなんて、そんな寂しいこと、言わないで欲しかった。透き通る世界じゃなくてもいい。この資本で生きる世界が嫌い。雨粒の足音。お前はこんな老人で、落とした帽子。ちぎれた静脈。命の後の姿。関わりを絶った人だった。一歩ずつ、人から離れていく。瞳は、夜の何を見ているのか。

 

「揺らぐことが、正解ではないのね。」

「分からないまま、俺たちは生きられない。」

「そうやって、私たちは弾かれていくのね。」

「肯定するなんて、そんな簡単じゃないわ。」

「雲を仰いで、一人で彷徨う、俺たち。」

「秘密なんて、私たちしか、知らないのにね。」

 

あそこから 漂う 三つ目の扉

駅を降りたら そこを右

聞こえるのは 合鍵の音

 

あなたのこと あなたのこと

秘密のこと 誰にも分からないこと

藍染の仮面の下 恐ろしい顔

でもそれは あなたなんだ

 

心地よい眠りに誘われて ふわり羽を集める

 

夢を彷徨う

夢を 彷徨う

 

普通からまた、命に戻る陰。言葉では言えないまま、そっとそこにあるのは、また青い何か。深いところで待っている、透明な未来。白い沿線。悴んでいる指の先。苦い缶コーヒー。海の下で、吐く息はどんな気分なのだろうか。あの景観。音を探して歩いた街、歌なんてないまま、僕ら生きていたはずなのに。

涙や雨、寂しさなど、澄んだ青を主なテーマに、
文章を紡ぐ作家「海野深一」の公式ポートフォリオサイトです。

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