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限りある人生

液状に流れて、人生を悲しみの在処とする。きっと世界はずっと変わらない。町の静けさが生々しくて、それでもどこかに行きたいと願う僕たちは糸を吐いて、在りもしない羽で空を飛ぶんだ。きっと世界はこれからもこれまでも人生を生み出し続けるだろう。工面して手に入れた一人の時間と、言葉の数々。僕はずっと独りで、ずっと独りで。

深くあなたのことを知りたいと思っていた。浮かんでいる孤独と、土砂降りの雨に打たれて消えていく空の霧。居場所を探していても気づくことがない。今頃になって部屋を探している。この間に少しずつ、初めての愛が動き出している。消えていく頬を雨に打たれても、きっと世界はずっと独りなんだと。僕なりに人生を歩んでいるつもりでも、言葉では言えない孤独感が拭えない。立ち尽くした二人と、そんなときに限って苦しんだ思い出がよみがえる。藍色のランプが光っている。所詮は人生なんだと、神様が言っていたことを想い出して、後ろから僕のことを見る。

都合の悪い真実と、都合がいいあなたの言葉。その感覚が心地よく、形がない言葉すらも、朝日に溶けている感覚になる。知らない君にほとばしる人生と自己嫌悪。眼にした世界は、もっときれいだったはずだけど、ふと迷うこともあるかもしれないけど、それでいいと、それでもいいと言えることが、人生なんだと、僕は知っている。

涙や雨、寂しさなど、澄んだ青を主なテーマに、
文章を紡ぐ作家「海野深一」の公式ポートフォリオサイトです。

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