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誤魔化し

何度も言葉を並べて、一生懸命に同じところに行こうとしたんだ。あの頃に見た世界と、同じような風景を見ようとしたけれど、きっと世界はそのままでいいと、その光景を隠してしまうんだ。深夜一時のベッドの上。浅い言葉を何回も並べて、自分が嫌いだと信じて止まない自分が嫌いだった。毎日と闘っている。明日は何かをする時間なのだろうか。一人になったら、人生は終わりなのだろうか。気づかれないように、ため息をついて、そっと心臓の音を聞く。

社会の役に立つことは、人生の岐路を教えてくれるのだろうか。きっと世間は僕たちを爪弾きにするけれど、それは僕たちが人生を生きている証拠でもある。僕らは世界と、相対する。寂しい夜に、続く世界と、安住の地。地面は一生変わらないけれど、僕たちの海は移ろう。時に道に立ち尽くしても、道は何も変わってくれない。海は運んでくれる。だから僕は、海が好きなんだ。時に人生に言いたいことが湧いてくる。新しい答えを探し出して、振り返ることすらも、代わりに泣くことすらもできないんだと。深い夜、何度でも乾いている過去の宝。

走っていたのに、人生は追いついてこない。人生は僕たちに追いつこうとしない。やっぱり私は、止まらないんだとそこで気づく。永遠に止まっている人生のことを、僕は生きていると感じたい生き物だと思っている。適当な詩に、任せて綴るこの文章も、いつかは誰かの価値になるのだろうか。泣いたり励んだり、そういう世俗的な言葉に身を委ねることだけはしたくない。僕は僕でありたいし、僕は世界でありたいし、僕は世間にはなりたくない。最後まで一人で、奏でる額が強がっている。

涙や雨、寂しさなど、澄んだ青を主なテーマに、
文章を紡ぐ作家「海野深一」の公式ポートフォリオサイトです。

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