知らない間に心の奥底で思っていた気持ちが、だんだんとゆっくりと心の中に浸透してきて、気付いたときには、それは僕になっていた。そうやって人生は始まって、そうやって世界は始まったんだと、教えてくれた。
創作とヒステリー。僕は僕でいるために、傷をなめる。ほのかに残った言葉すらも、人生を表している僕の文節たち。痛み分けを、痛み分けを。種明かしは人生の最後だから、話せない。話せない焦燥と、信じることで生まれる葛藤。
まだ癒えない傷を、僕は今日も舐め続ける。きっと世間は凍り付く前に答えを見つけてしまうのだろう。きっと世間は、僕がいる間に、答えにたどりついてしまうのだろう。でも僕は、永遠に答えにたどりつきたくはない。
優柔不断が、出来の悪い虹を描いている。かみ合わないあなたと僕の人生。それでもいいと、広い空は言う。僕らは同じ、僕らは同じ。不揃いなピースで居られるなら、僕は命だって投げ出すつもりでいるんだ。僕の影と、一つになる心。繋ぎ目もない。一つになる、それは元に戻るということで。暗闇が忍び寄ってくる影を、世界の影を一つになってほとばしる。
闇を渡って投げ出された、突如現れた心。僕たちはこの世界に降り立って、何も知らないまま、ぶつけて、転んで、また泣いて。
曖昧な世界がいい、鏡面が見えない世界がいい。本当は自分の姿なんて、知りたくなかったんだ。本当は自分の心なんて、感じないでもよかったんだ。でも僕は生まれてしまった、でも僕は感じてしまった、でも僕は叫んでしまった、生きていたい、と。終電が目の前で過ぎ去る。泳いでいる金魚を、水槽の中に見て、永遠の海を感じる。
あなたに逢うのは、もう少し、時間がかかりそうだから。