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散る星。

吐き出したものはもうすぐ戻るから、夜が長いことには変わらない世界。孤独がだんだんと大きくなって、信じていたものが居なくなってしまうかもしれない。窓辺のサボテンに、自分を重ねて酔ってみる。あなたが不安に思っていたことは、もう真っさらな砂丘の砂に変わったよ。夜が愛おしいと願う、ゆらゆら昇る太陽が、サボテンに影を落として、そこに僕が座る。何も起こらないけれど、分かって欲しいものがあると、叫んでみる。都会の喧騒から逃れるなんて、そんなこと言わないでいいじゃないか。ヒラヒラと、舞う蝶のように、向こうで君が笑ったんだ。誰にでも朝が来ることを、僕たちは薄く信じているだけ。

三叉路で振り返って、幾つ残るかもわからないイヤリング。盗んでしまいたいほどに、あなたは一筋の光だったんだ。風のようにさって行く愚かな季節で、待ってはくれない世界なんて無視しよう。純粋さが謳歌して、ピラフを詰めて、ピクニックに出かけようじゃないか。忘れてくださいで済ませられるほど、単純な愛では無かったのに、一つの恋を終わらせるように。伸びて行く世間で、扉開いて、寂しさだけ置いて、人並みに溶けるだけなんだ。君が僕のなんだというんだ、なんで僕の心を染め上げて行くんだ。何も知らないで、生きることを満たしてくるなんて、あまりにもずるいじゃないか。全てが重なって今に至るのなら、当たり前のような星空に現れているはずだろう。強く繋いでいるところ、もしも世界からこの言葉が消えてしまったら、近くに彷徨う影は無くなるのだろうか。

ダンスホール、夢がなくても、明日を生きていけるところ、平和。優しい嘘には気づかないで、信じていたいところ、また会おうねって言った約束も、その日まで、信じていたい。待ち合わせ、いつものバス停。まだ君は来ない。幸せそうだとか、そんなことは関係なくて、悩んでいる言葉を、いっそのこと壊してしまうんだろう。堪えれば堪えるほど、涙が出てくるのが人生。言葉が交わる傷。信じ続けているものが、ほんの一瞬で不安になってしまう。浦辺に、焦って追いかけて、転んだ午後二時。優しい人の声も、届かないところ、わかることなんて一つもないから、考えすぎることをやめようじゃないか。

歌うことすらも忘れているようじゃ、何も変わらないと言いかける。カラスの歌に茜、この孤独が今、天になって星になって、生きている力になるんだろうな。求められていない愛を、注ぎ続けられるほど、僕は強くはなかったんだ。秋を知って、信じられる恋なんてないのだから、山の城から煙が立つ。夏風が頬を滑る。誰にも孤独がわからないからこそ、何も強くはないからこそ、こうして詩を書いているだけなんだ。だいたい笑うことができないから、水滴が石を貫くまで、僕らそこのバス停で雨宿りしよう。どうか天に惑わされないで、不安だらけの世界から抜け出して、僕の心に少しだけ愛を注いでくれればいいんだから。

「どれだけ愛しても、何も変わらない世界なら、生きている意味なんてないわ。」

「そもそも、生きることに意味なんていらないだろ。」

「あ、パスタきた。」

「お前、ほんとよく食うな。」

「何が正解か、分からないんだよね。」

「純度なんて関係ないぐらい、傾倒すればいいじゃないか。」

「兆し、呼び覚ます愛が、私のことを助けてくれるかしら。」

「それは分からないが。」

「不安なの、この世界が終わることが。」

「世界は終わらないから、安心していいんじゃないか。」

「あなたが隣にいないことが、不安でたまらないの。」

「じゃあ、サラダでも食べるか?」

「それは嫌。」

「なら、パスタでも食え。」

生きていることは、定規で測ることじゃない。希望を軸にして、何度でも叫んでいる、トンネルの中で、叫んでいる。ここで何も変わらないなんて、そんなこと何も報われないじゃないか。赤と青の星に、何を願うのが正解なんだ。何十回も、紙に書いて、願うのが夢なら、きっと僕は世界なんて、孤独で終わっていたんだろうな。

溶ける丘の上、星の海。朝焼けで手が染まる頃には、忘れてしまっている世界。いつでも壊していいよと、あなたは言った。でも壊せなかった僕だから、もう生きるしかないんだろうな。

涙や雨、寂しさなど、澄んだ青を主なテーマに、
文章を紡ぐ作家「海野深一」の公式ポートフォリオサイトです。

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