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思い出。

雨のパレード。豪雨の中で踊り狂う人々を見て、なんだか自分は生きていないんじゃないかと思う。まっさらな道だけを歩いて、空の人はどれだけいるのだろうか。誰だって何かを引きずって、歩幅を少しずつ、あなたに合わせていく日々なんだ。言い換えても言い換えきれない愛の言葉。自分を押し殺す、無理して、空を見る。

自分を隠そうとしないでいい。でも、心を開くことはそんなに簡単なことじゃなくて、この人生を通じて、一緒に死を迎える人を、見つければいいじゃないか。僕にだってそんな日常があったから、曲がっている気がする。君の記憶が、黒いところを照らしているんだ。無理してその灯火を温めようとして、なんだか空回り。目を逸らした過去。隠していたところ、君じゃないってことを知って、なんだか安心したよ。

一枚の半紙。大筆で「心」と書いてみた。無理してその顔を作って、自分を隠そうとしていることが、文字にも現れていて、ずっと嫌われないようにしていたこと。なんだか、自分らしくないなって思った。変貌を遂げるのが人間だから、君がいいなんて、僕のただのわがままなんだ。意地で成り立つほど愛は甘くなくて、生活が歪むほど、命は綺麗じゃないんだ。夜更かしの扉、雨音に乗せて、暮らしている心。ユーモアもない。心変わり。歩いてもいない日々、揺らぐ水面に、幾重に重なって消える。

「水なんて、不思議な存在ね。」

「まるで俺たちみたいだな。」

「そんな透明じゃないわ。」

「濁ってるってことか?」

「ううん、そんなに見えないってこと。」

「水だって、見えているかなんて、わからない。」

「透明でなんでも見えることが、意外と弱さなのかもね。」

「赴き、守ること、だな。」

優しさがなんでもいいって思えたのは、君に会えたからなんだろうか。拳握って、地面を蹴って、歩き出してしまったら最後、男なら、最後まで歩かないといけないんだろうか。また何か深く悩むようなら、この場所に来て歌えばいい。君には、伝えることが、少し重かったんだね。僕の愛が、重く感じてしまうのなら、きっと今世は交わらない存在なんだろうな。今日も生きていてくれてありがとうと、伝えられないことは、僕もなんだか嫌なんだ。恋人のように、生きているところ、二人で光になりたい。

帆を張って、海が広がる空に出かけよう。麗しく煌めく、未来を描こう。僕だけじゃないところ、普段から愛になる。

愛が重すぎると言われるのが苦手で、愛を手加減しないといけない心、なんだか僕はそれが窮屈に感じてしまうんだ。だから、僕は遠い空に行くことにするよ。遠い日々を歩いていく。この世界で生きていることは変わらないから、いつもの顔で、二人の日々を包んでいよう。輝き始めて、僕は僕になれると思っていたけど、なんだか、まだ早いみたいだね。何も見えないところから、だんだんと僕になれるかな。とりあえず今は、さようなら。

涙や雨、寂しさなど、澄んだ青を主なテーマに、
文章を紡ぐ作家「海野深一」の公式ポートフォリオサイトです。

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